競馬の騎手になるためには低身長の人の方が有利なのでしょうか。競馬騎手と身長との関係性や、騎手になる上で欠かせない体重管理の方法や注意点などについて解説していきます。
競馬において「騎手=低身長」というイメージを持つ人もいるでしょう。また人間の肉体構造上、身長が高くなればなるほど体重が増えやすくなります。騎手には体重制限が設けられているため、体重管理の点から考えれば、低身長の人の方が高身長の人と比較して騎手になる上で有利といえるでしょう。
ただし騎手の中には一般的に高身長といわれる人でも好成績を残してきた人もおり、必ずしも高身長がダメとは限りません。
高身長になれば骨量が増えていきます。低身長の人と比較して同程度の身体バランスであれば体重が増えてしまうでしょう。低身長が有利というよりも、高身長で体重が重くなりやすい人が不利と言えます。
競馬はレースごとに騎手の体重や馬具の重さなどの総重量(斤量)が規定されており、規定総重量を超過してレースに出場はできません。レースの出走条件を満たそうとした場合、低身長の騎手の方が斤量の範囲内で自重を調整しやすいと考えられます。
また高身長の人が無理に体重を落とした場合、BMIが下がりすぎて肉体的に不具合が生じる人もいるでしょう。極限の状態で体力や集中力、持久力、判断力などが求められる競馬において、より肉体的に安定した状態でレースへのぞめるかは重要です。
なお、レースへ出走する際、体重差に合わせて重りを使って重量差を解消するため、最終的に馬が背負う重さは同じになります。
騎手の体重に関する制限は、騎手になるための学校に通っている段階から設定されています。競馬学校に入学する時は元より、進級する際の条件としても適切な体重管理が行えているかどうかは注目されており、常に適正体重をキープすることが必要です。
一方、体重制限に対して身長に関する制限は明記されていません。高身長の人であっても体質や努力によって騎手を目指せます。
2019年の中央競馬(JRA)のデータに注目した場合、騎手の大半が身長156~165cmの範囲に収まっています。特に161~165cmが最も多い範囲となっており、およそ4割の騎手が身長160cm台前半であったのはポイントです。
一方、騎手全体の平均体重はおよそ50kg程度とされており、例えば医学的に「標準体重」とされる数値と比較しても、161~165cmの標準体重が56.3~59.9kgであることを考えれば、およそ6~10kg、平均的な日本人よりも騎手の方が軽いと分かります。
※参考元熊本中央病院|栄養科
低身長の人の方が体重を軽く保ちやすいという人体構造上、身長が高くなればなるほど、体重管理に対する意識も強めていかなければなりません。
騎手には体重制限という明確な条件が設定されています。体重が少しでも超過すれば騎手としての出走資格を失うと考えれば、プロであれ、プロを目指す学生であれ、体重管理に努めるのは当然です。
ただし体重に関する数値条件があるものの、身長に関する条件はありません。どのような身長の人でも必ず範囲内に収めなければならず、高身長の人は健康面でリスクを抱えて可能性があります。
体重を制限しながら健康状態や運動機能を適正に保とうとする場合、単に食事制限や運動を行うだけではなく、厳正なバランス調整や栄養・カロリー計算にもとづいたプランを考案しなければなりません。
同じ量、内容の食事を食べ、同じ時間、強度の運動を行ったとしても、体重や筋肉量などは人によって異なります。つまり、体重や体格には個人差や個性が反映されるのです。
体質は遺伝だけでなく生活環境で変化する部分もあります。体重管理をする場合でも自分の体質に適したコントロール方法を考えなければなりません。
また体質管理は健康管理にもつながります。
日常的に無理なダイエットを続けるという意味ではなく、普段から暴飲暴食を控え、自分が食べているものや体の状態について意識を向けることが、適正な体重をコントロールするうえで大切です。
体重は一定以上に増えてから減らすよりも、普段からコントロールを続けていく方がバランスを保ちやすいため、意識的に自分の体へ気を配りましょう。
騎手の体重は一般平均よりもかなり軽く、小柄な子供だからといって簡単にクリアできません。本気で騎手を目指そうとする場合、中学生の頃から日常生活に体重管理の意識を取り入れて、食事や運動をしている子もいます。
子供の頃から過度なダイエットをするのは厳禁ですが、生活の中で体重管理や健康管理への意識を持つことは将来的にも良い習慣となるでしょう。
競馬の騎手という特殊なアスリートにとって、体重制限や体重管理というテーマは決して無視できません。体重の増減に影響しやすい身長も重視すべきポイントです。
低身長の人の方が高身長の人よりも肉体的に有利。一方、低身長だからといって体重管理をおろそかにして良いわけではなく、高身長であるからといって騎手として成功しないわけでもありません。
日頃から体重管理や健康管理を意識して、自分に合ったバランスよくコントロールしていきましょう。
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