ここでは、騎手の現状と未来の展望について分かりやすく解説しています。
日本における競馬には、政府から全額出資され農林水産省が監督している日本中央競馬会(JRA)が主催する中央競馬と、地方公共団体などが運営している地方競馬の2種類が存在し、それぞれのスケジュールや規模によってレースが開催されています。
国が運営費を出資し、さらにレースの規模やファンの数も大きい中央競馬に対して、それぞれの自治体や地方公共団体によって運営されている地方競馬では格差もあり、賞金額やレースを走る馬の実力にも差があることは無視できません。
日本には複数の公営ギャンブルが存在しますが、中でも競馬の人気は高いといえるでしょう。反面、バブル期と比較して競馬の売上額は減少しており、特に地方競馬では2000年代に各地で廃止が続いたこともありました。
現在は競馬のイメージを刷新して若者のファン獲得に取り組んだり、ITを導入した経費削減なども導入されていたりしますが、それでも90年代と比較すれば厳しい状況が続いていることに違いありません。
JRAは広報戦略の一環として若者に人気のアニメやゲームとコラボし、ファン層を広げる取り組みを進めています。また、2021年2月には民間のゲーム会社から、実在の名馬をモチーフにしたスマホゲームも販売され、幅広い世代で数多くのファンを獲得しました。
ただし、競馬そのものに関する知名度が上がったとしても、全てのファンが実際の競馬場へ足を運んでくれるとは限らず、急激な成長を即座に期待することは難しいかも知れません。
とはいえ、中央競馬に関しては1997年を境に減少し続けていた売上額が、2011年を境に右肩上がりを続けており、2020年度には売得金額が3兆円目前に達したという事実も重要でしょう。(※1)
騎手の年収を比較すると、およそ中央競馬では平均1,000万円とされる一方、地方競馬では500万~600万円程度とされており、どうしても収入に開きがある点は否めません。
また、JRAのリーディングジョッキーや騎手リーディング上位者については、マスコミからの注目を集めることが多く、CM出演料やスポンサー料により高額な収入を目指すことも可能です。
競馬が競馬ファンによって維持されている以上、どうしても競馬の景気は日本の景気に左右されてしまうことが現実です。そのため、経済状況が悪化すれば、特に地方競馬ではますます経営が困難になってしまう可能性もあります。
一方、競馬そのものの人気は回復傾向にあり、さらに伝統的な競馬文化には根強いファンがいることからも、競馬が完全に廃れてしまう可能性は低いと考えられます。
また、競馬学校の入学倍率は依然として高い状態にあり、今後は一層に騎手の実力が未来を切り開いていくカギになるかも知れません。
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