騎手(ジョッキー)、厩務員になるには? 競馬学校合格するための方法
騎手(ジョッキー)になるには?競馬学校合格への道 » 競馬に関わるお仕事カタログ » 競走馬と乗用馬の違い

競走馬と乗用馬の違い

プロの騎手を乗せて競馬のレースで勝ち負けを競う競走馬がいる一方、乗馬クラブで一般の人を乗せて走る乗用馬がいます。このページでは、競走馬と乗用馬の特徴や育て方の違いなどをまとめました。

競走馬と乗用馬の違い

競走馬と乗用馬は動物としての種類は同じですが、活動の目的が大きく違います。ここでは競走馬と乗用馬の特徴や共通点・相違点をまとめました。

競走馬としての特徴

競走馬は文字通り競馬のレースに出走して、勝敗を競い合う馬のことをいいます。競走馬の目的は競馬で勝利することです。そのため産まれた時から勝つために特化して育てられます。

競走馬は馬主に所有され、競馬で勝利した賞金は馬主に還元されます。

競走馬の価値を判断する基準の1つが血統です。強いサラブレッド同士を掛け合わせて、より強い馬を誕生させるために交配が行われます。調教師や騎手は、血統をもとに競走馬の個性を推測することがあるため、血統は決して無視できない要素です。

乗用馬としての特徴

乗用馬とは、乗馬クラブで一般の利用者やクラブの会員を乗せて、乗馬サービスを提供するための馬のことです。
乗用馬の目的は、安定した歩行や走行を維持して、騎乗したお客さんを楽しませることにあります。

多くの場合乗用馬は、乗馬クラブによって所有されているのが一般的です。ただ中にはクラブ会員が自分で購入・所有している馬をクラブに預けているといったケースもあります。
乗用馬は生まれた時から乗用馬として育てられるわけではありません。多くの乗用馬は競走馬として引退した馬です。海外から乗用馬として産まれた馬を、輸入するケースもあります。

競走馬と乗用馬の相違点と共通点

競走馬と乗用馬は目的が異なるため、それぞれの役割も違いが生まれます。大きな違いとして、調教内容が挙げられます。競馬は、レースに勝つためにはスピードやスタミナが必要です。そのため調教内容も坂路を駆け上がって馬力を鍛えるものや、長距離を走らせて心肺機能の向上を狙うものがあります。
一方で乗馬では、障害物を飛ぶことやステップを踏むことなどの柔軟な動きが必要です。柔軟性を鍛えるために円の中を反復して周回させる、一般の人にも慣れさせるなどの調教を行います。

共通点としては、生まれた時の環境が挙げられます。競走馬は走ることに長けた品種です。長年の品種改良で速く走る馬として作り上げられます。一方で乗用馬は、乗用馬として生まれることは多くありません。しかし乗用馬の多くは元競走馬として活躍してきた歴史があります。アスリートとして走り抜けた後の競走馬にとって、乗用馬としての生活はセカンドライフとも言えるのです。

そのため競走馬と乗用馬は目的や役割が異なるものの、最終的には乗用馬として役割を果たすため目指す本質的な部分は同じであるとも考えられます。

競走馬と乗用馬の育て方

競走馬は誕生した時点から競馬での活躍が期待されており、それを前提として育てられます。一方乗用馬は競走からは離れて、人との共存が重要なポイントです。ここでは競走馬と乗用馬の育て方についてまとめました。

競走馬の育て方

競走馬として誕生したサラブレッドは、数ヶ月間は母馬と一緒に過ごします。母馬から離れた後は、セリにかけられて、馬主に所有されることが一般的です。ここから競走馬としてのデビューを目指したトレーニングが始まります。

1歳頃から行うトレーニングが馴致です。人の指示に従うことや馬具に慣れさせることを目的に行います。馴致が終わると次は育成のトレーニングです。育成期間には調教に必要な基礎体力を付けます。2歳の春頃まで育成期間で基礎的な訓練を重ねた後、2歳春以降は夏のデビュー戦を目指して本格的な調教段階に入ります。調教は馬の競争心をつける、リラックスして走る方法を覚えさせる、などが目的です。調教はトレーニングセンターで引退するまで行われます。

乗用馬の育て方

引退した競走馬は、乗馬クラブに譲渡されて乗用馬としての生活をスタートします。そのまま馬主に継続して所有されて、牧場で隠居生活を送る馬も少なくありません。

乗用馬は競走馬と違い、過度な負担をかけずに、心身ともに健康的な状態を維持できるように育てられます。人との交流を安全に行えるように、世話されることがポイントです。

競走馬の頃は重視されていた闘争心も、乗用馬では利用者にとって危険を及ぼしかねません。気に入らないことがあっても、すぐに怒りや興奮を表に出さないよう訓練されます。乗用馬を育てる時には、人と馬が共存できるように、教えることが大切です。

まとめ

勝負の世界でレースを走り抜く競走馬と、乗用馬として人と交流する乗用馬と、どちらもそれぞれの環境や現場で活躍するプロであり優劣を付けることはできません。

また立場や目的が異なるからこそ育成方法や、やりがいにも違いがあります。

競馬学校などで馬の育成や調教について学ぼうとしている人は、いつかプロとして競走馬や乗用馬に触れる機会があるでしょう。どちらの馬に対してもプロらしく責任と愛情を持って接せられるよう今から意識しておくことが大切です。

騎手になるには?厩務員になるには?
競馬学校合格のための専門学校ナビ!
ページの先頭へ

【免責事項】
このサイトは、2011年1月時点で編集チームが調査した内容をもとに作成しています。掲載画像や口コミなどは、制作当時の情報の引用元・参照元を表記していますが、経年により削除・変更される場合もございます。あらかじめご了承ください。最新の情報や競馬学校の詳細については、各公式サイトをご確認ください。

騎手(ジョッキー)、厩務員になるには? 競馬学校合格するための方法