競走馬をレースで出走させるためには、競走馬が騎手に従うように適切な調教が必要です。このページでは、競走馬の調教方法や調教の種類などについてまとめました。
競走馬の調教とは「競馬に出走するためのトレーニング」のことです。調教は「トレーニングセンター(トレセン)」と呼ばれるところで行われます。資格のある調教師が訓練や指導を行い、「足の速い馬」を「競走馬」へと育成していくことが調教の本質です。
調教には様々な種類や目的があります。例えば馬の体重を減らすための調教や、馬のモチベーションアップを目指すための調教、心肺機能や脚力を強化してレースに勝てるよう訓練する調教などです。
調教は牧場での馴致から始まり、競走馬が引退するまで続けられます。ここでは競走馬の調教として代表的なものを紹介します。
本番に近い状態のコースを走らせて、コーナーの曲がり方や速度の出し方、周囲の馬との折り合いの付け方などを学習させるための調教です。
コース追いは坂路追いと共に代表的な調教方法の一つと言われています。
コース追いの役目は主に2つです。レースで走るためのイメージトレーニングの役目と、勝負勘を養わせるための役目があります。また長距離コースを走らせることによってスタミナや、スピードを調整する力を養えます。
傾斜のある坂道のことを坂路(はんろ)と言います。坂路を走らせることで、坂を駆け上がるパワーと瞬発力の強化を目的に行われる調教です。
坂路追いが普及したことで日本の競走馬の実力が一気に向上したと言われています。一方で馬の脚部への負荷が大きいため、調教中の故障リスクの増加が課題です。脚部への負担を小さくするために、一部のトレーニングセンターではCW(ウッドチップ)と呼ばれるコースを利用して調教します。CW(ウッドチップ)コースとは走路上に粉砕された木片を敷き詰めたコースです。他の馬場に比べてクッション性に優れており、脚部の負担を減らしながら競走馬の能力を向上させることが期待できます。
プール(水の中)で馬を泳がせる調教をプール調教といいます。
プール調教は心肺機能の向上によるスタミナ強化とリフレッシュ効果を目的とした調教です。水の浮力によって競走馬の足にかかる負担を軽減しながら全身運動ができるため、故障馬のリハビリとしても使用されます。
どのような調教を行ったかによって、その競走馬がどのようなポイントを重点的にトレーニングしてきたのか推察できます。競馬新聞で主に記載される調教内容についてまとめました。
単走はレースで走るための実力を伸ばす調教です。気性の荒い馬は併せ馬をすると走り過ぎてオーバーワークとなるため、単走で仕上げます。併せ馬はレースで勝つための戦略を学ばせるためや競争心を煽るために用いられる調教です。一般的に単走のときに比べてタイムが速くなります。15-15はウォーミングアップのためや、折り合いをつけるために行われる調教です。馬を仕上げる上でのひとつの目安となり、デビュー前や休み明けの馬はこの15-15ができると最終段階の強い調教へと進みます。
どれほど血統や脚質に優れた競走馬であっても、適切な調教を行わずに勝つことは困難です。 言い換えると調教が理想通りに行われた競走馬であれば、レースに勝つ可能性も高くなるでしょう。 調教の品質や完成度は競走馬の仕上がり具合に直結するため、調教師にとって腕の見せ所でもあります。調教に興味のある方は、競馬新聞の調教内容もチェックしながら、馬の様子を見ると勉強になるでしょう。
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