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一流ジョッキーも実践する減量法!負担重量を守るには

指定体重をクリアしないとレースに出場できないジョッキーにとって、減量は重要な自己管理のひとつです。

どのくらいの体重をキープするかは騎乗する馬の「負担重量」によって変化するため、ジョッキーは常に体重をコントロールしなければいけないのです。

このページでは「負担重量」について解説するとともに、ジョッキーの減量法をご紹介します。

ジョッキーは常に減量と戦わなければいけない

ジョッキーが常に減量を課せられる理由は、レースによって定められた出走馬の「負担重量」にあります。

負担重量は騎手の体重+馬具の合計

負担重量とは、レースで出走馬が背負う重量のことです。騎手の体重と鞍などの馬具を合計したもので、「斤量(きんりょう)」と呼ばれることもあります。負担重量に含まれるものは鞍・腹帯・鞍下・鐙(あぶみ)などで、手綱や当絡、ハミなどは含まれません。

レースの種類ごとに定められている負担重量として、以下の4つがあります。

  • 同じ年齢の馬だけで、2歳〜3歳時に出走するレースに用いる「馬齢重量」
  • レースごとに負担重量を定める基準が設けられている「別定」
  • 馬の年齢・性別を基準に定められる「定量」
  • 全出走馬に勝つチャンスが与えられるよう負担重量を調整する「ハンデキャップ」

ジョッキーは各レースに出場するごとに、この負担重量に合わせた体重コントロールが必要になります。

特に負担重量50キロ前後の超軽量の馬に騎乗する場合、負担重量よりも3キロ以上減量することが多いです。一般的には53キロから58キロあたりの負担重量で走ることが多いため、52キロ前後の体重であるジョッキーが一番多くなります。

競馬学校に入学するときの体重制限が44.0〜46.5キロ(※)、卒業時の上限体重が47.5キロですから、いくら小柄な人が多いとはいえ、ジョッキーの体重管理の厳しさが伺えますね。(※)出生日によって体重制限が違います。

ジョッキーが実践している減量法って?

毎週末レースに出場するジョッキーは、現役でいる間常に体重コントロールしなければなりません。短期間で一気に体重を落とす「過酷な減量」で有名なプロボクサーとは、また違った厳しさがあります。

それでは、一流ジョッキーも実践しているジョッキーの減量法をご紹介していきましょう。

とにかくサウナに入る!

トレーニングセンター内のジョッキールームにあるサウナルームは、ジョッキーの減量のために24時間休むことなく稼働しています。 JRAトップジョッキーである安東勝騎手は、週明けからレースのある週末までの間、少しでも時間ができたらサウナに入って体を絞るそうです。

徹底した食事制限!

やはり、体重をコントロールするには食事制限が一番です。その内容はジョッキーによってさまざまですが、

  • 野菜を多く食べる
  • 高カロリーのものは摂取しない
  • 一日一食にしている

という基本的なものが多いようです。

中には、徹底的に食べる量を抑えた過酷な食事制限をしているジョッキーも。特に背の高いジョッキーは軽量をキープすることが困難で、身長が177センチもある武幸四郎騎手は、若い頃の過酷な減量が原因で骨密度が70歳の老人並なのだとか。

また、武豊騎手は、父であるかつての名ジョッキー武邦彦氏の現役時代について、「父親が家で固形物を口にしている姿を見たことがない」 と証言しています。ジョッキーのストイックな食生活を物語るエピソードです。

減量はジョッキーの仕事のひとつ

体重コントロールはジョッキーにとって重要な仕事のひとつです。レースでは、騎手が騎乗する際に着用する勝負服や馬に乗る鞍などに鉛の板を入れて体重を調整します。

そのため、ジョッキーが規定斤量で騎乗する限りにおいては、ジョッキーの体重がレース結果を左右することはありません。厳密に体重を合わせるためにさまざまな取り組みがされているのです。だからこそ、ジョッキーがレースの規定斤量をオーバーした場合はペナルティが課されます。

では、ペナルティにはどのような内容があるのか、いくつか見ていきましょう。

最も重い処分は騎乗停止

騎手はレース前とレース後に、ジョッキーの体重と勝負服、ブーツ、プロテクターなどを含めた重量を測定しますが、レース50分前まで(JRAの場合)に行う検量を前検量、7着までに入った騎手に対してレース後に行う検量を後検量と呼びます。

前検量と後検量のいずれもパスする必要があり、いずれか一方でも規定斤量をオーバーした場合にはペナルティが課されます。ペナルティとしては、処分が重い順に次のような種類があります。

  • 騎乗停止
  • 過怠金・戒告
  • 再教育

ジョッキーに課される処分の中でもっとも重い処分が騎乗停止です。斤量超過の度合いに応じて、1日~6日(競馬開催日)程度の騎乗停止が課されます。

次に重い処分が過怠金・戒告です。騎乗停止になるほど悪質でない場合に過怠金が課せられ、金額は1万円~上限50万円まで。過怠金が課せられない戒告処分になる場合もあります。

最後の再教育は、騎乗停止や過怠金・戒告などのペナルティに応じてポイントが増えていき、合計30点を超えた場合に再教育を受けなければなりません。再教育では、騎乗技術の指導を受けることになります。再教育を受けた後、年度が新しくなるとポイントは0となり、新年度に課されるペナルティに応じて積算されるシステムです。

体重オーバーは調教師や馬主からの信頼を失う

実際にペナルティを受けた騎手の事例としては、2018年10月28日の新潟競馬場11レースにて、西村淳也騎手が公表された48キロで騎乗すべきところを体重調整に失敗して48.5キロで騎乗。斤量超過によって過怠金10万円の処分を受けました。

この事例ではもっとも重い騎乗停止処分には至りませんでしたが、例え過怠金の処分で済んだとしても調教師や馬主からの信頼を失ってしまい、その後騎乗依頼を受けられなくなる可能性もあります。

また、騎乗停止処分となれば翌週以降の騎乗予定がすべてキャンセルになってしまいます。騎手の体重はそれだけレースに影響する大事な要素です。

体重管理は騎手生命に直結するだけに、減量の過酷さはジョッキーの体質によっても違います。早いうちから節制を身につけ、自分に合った減量法を見つけることが大切です。

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