生産牧場で産まれたサラブレッドに、鞍を付けたり人が騎乗できるように調教して、競走馬として活躍できるように育てていくのが育成牧場です。生産牧場と同じように、多くが日高地方にあります。
育成牧場では馬のお世話だけでなく、様々な仕事を行わなければなりません。ここでは育成牧場で行われる一般的な仕事について紹介します。
まず放牧・集牧が大切な仕事の一つです。調教を始めた馬は人によって飼育管理がされます。牧草のある広大な牧草地に放牧すれば、オーバーワークや食べ過ぎなどの問題が発生する恐れもあるため、調教が進むと草の生えていない小さなエリアにての放牧がおこなわれるのが一般的です。また放牧していた馬を廐舎に集め、馬の健康管理・手入れを行っていきます。
馬が放牧・調教などをしている間、馬のいない馬房から掃除をしていきます。藁・ウッドシェービングの寝床を綺麗に整え、汚れた部分を除去するという流れです。必要に応じて、新しい敷料を補充します。
また牧草地の管理も重要な仕事になるため、馬がケガするものが落ちていないかを細かくチェックしましょう。
一般的には早朝6時ごろに馬が起床するので、そのタイミングで給餌を行います。サラブレットであれば麦・豆・油粕などの栄養価の高い餌を与えるケースがほとんどです。また給餌をする際、馬の健康状態の把握も行われます。餌をいつも通り食べているか、ケガはないか、体調に問題はないかなどを確認してください。少しでも異変があれば、早めに対処するようにしましょう。
馬は最初から人が簡単に乗れるわけではありません。人が乗っても大丈夫なように育成牧場で乗り馴らしと言われる騎乗馴致を行い、人が乗れる馬に調教。またセリへの上場に向けての騎乗馴致も育成牧場で実施されるケースもあります。
さらに競馬場・トレーニングセンターに入ったとしても耐えられる体力づくりを行うのも大切なトレーニングの一つです。徐々に馴らしていきながら、体力アップ・走力アップなどの目的に合わせたトレーニングを実施していきます。
育成牧場では、概ね三段階に分けられて競走馬育成調教が行われています。
第一段階では、人が乗れるように調教。第二段階では運動できるまでを調教。そして第三段階では、速く走れるように調教します。
何も知らない仔馬から、強烈なスポートを誇る競走馬へ育っていく時間を共に過ごすのは非常に刺激的な仕事です。しかしその反面、まさに「命がけ」の仕事でもあります。
なぜなら、初めて鞍を乗せるサラブレッドは、嫌がったり怖がったりします。その恐怖で跳ねあがり、人が振り落とされることも珍しくありません。それを毎日、毎日の積み重ねで馬とのコミュニケーションを取りながら、丁寧に丁寧に馴らしていくのが、育成牧場の仕事です。
育成牧場の1日の平均的な様子は、だいたい次のような感じです。
夜間放牧をしている馬を馬房にいれるところからスタート。
厩舎に戻ると、放牧中に怪我をしたりしていないかチェックします。
日中放牧の馬を出して、汚れた寝藁を交換したり、補充したりします。また、この時間帯に飼葉づくりを行ないます。それぞれの馬の状態や体質にあった飼葉をあたえるため、細かい指示があります。
ミーティングがあり、それぞれの馬の食事や運動について話し合います。
栄養の専門家に来てもらいチェックを受けて、アドバイスを貰うこともあります。
騎乗調教を行ないます。騎乗技術が未熟な若手は、先輩のために道具の手入れや、削蹄、装蹄なども担当します。調教を終えた馬は、ホースで水をかけて身体を洗ってやります。
日中放牧をしている馬が戻ってくる時間です。まずは、ケガや異常がないかを確認。その後は、馬房に入れてやり、夜の飼葉を与えます。厩舎まわりを掃除して1日の仕事を締めくくりとなります。
育成牧場の1日の平均的な様子は、だいたい次のような感じです。
夜間放牧をしている馬を馬房にいれるところからスタート。
厩舎に戻ると、放牧中に怪我をしたりしていないかチェックします。
日中放牧の馬を出して、汚れた寝藁を交換したり、補充したりします。また、この時間帯に飼葉づくりを行ないます。それぞれの馬の状態や体質にあった飼葉をあたえるため、細かい指示があります。
ミーティングがあり、それぞれの馬の食事や運動について話し合います。
栄養の専門家に来てもらいチェックを受けて、アドバイスを貰うこともあります。
騎乗調教を行います。騎乗技術が未熟な若手は、先輩のために道具の手入れや、削蹄、装蹄などを担当。調教を終えた馬は、ホースで水をかけて身体を洗ってやります。
日中放牧をしている馬が戻ってくる時間です。まずは、ケガや異常がないかを確認。その後は、馬房に入れてやり、夜の飼葉を与えます。厩舎まわりを掃除して1日の仕事を締めくくりとなります。
気温や気候に応じて、馬の管理・トレーニングの方法が異なってきます。1年間かけてスケジュールを組むことによって、馬の育成もしやすくなることでしょう。ここでは、一般的な季節ごとの馬の育成牧場について紹介します。
生産牧場で育てた1歳ほどの馬を、広い牧草地にて集団管理を行います。しっかりと牧草を食べさせ、広い牧場で遊びながら運動を行い、今後のトレーニング行えるように体力アップを図ることがほとんどです。また病気・ケガ・栄養不足などの不調がないかどうかを、常に馬の状態を確認しながら放牧時間・餌の量をコントロールします。
騎手が馬に乗るためには鞍をはじめとする専用の装備をつけなければなりません。そのための準備として鞍をつけてトレーニングを行っていきます。実際に騎乗を始める前に、騎手が馬の操縦するための馬の口に含ませるハミを用いた「ドライビング」の練習も実施。徐々に手綱によるハンドル操作を馬に教えていきます。
馬の状態を細かく観察し、馬主・調教師に成長具合・調教の進捗状況・性格などの情報を報告しなければなりません。また馬主の質問や相談などに対応する必要があります。
競走馬として最終仕上げの段階となります。スピードアップを図るための調教をはじめ、タイミングよくスタートゲートから出走するトレーニングなどを行い、競走馬としてデビューできる状態まで仕上げていくのです。調教が順調に進んでいる馬であれば6月より行われる新馬戦に向けて、トレーニングセンター・競馬場に移ります。
このタイミングで馬主が決まっていなければ、再度セールにてセリにかけられるケースも。
育成牧場で働きたいと思っていても、自分が向いているか不安になることもあるでしょう。どんな仕事にも向き・不向きがあるのは事実です。ここでは育成牧場での仕事に向いている人の特徴を紹介するので、自分自身はどうかを是非チェックしてください。
競走馬を育成すると言っても、馬と触れ合うことが仕事の中心となります。馬と心を交わさなければ、馬の育成もうまくいくことはありません。そのため動物を思いやる心があるかどうかは、育成牧場で働くうえで最も重要なことです。「美味しい餌を食べさせたい」「快適な空間で体を休めてほしい」「痛そう・辛そうだから、少しでも和らげたい」など、馬の気持ちに寄り添って考える必要があります。馬を競走馬や家畜として捉えるのではなく、自分のパートナーとして接することが自然とできる人は育成牧場での仕事に向いているでしょう。
馬は生きているので、私たち人間と同じように毎日同じ体調というわけではありません。突然体調を崩す、お産がはじまる、ケガをするなど、さまざまなイレギュラーな状況に陥る可能性があります。そんなときにパニックになってしまえば、馬にも悪影響を与えてしまうでしょう。だからこそ慌てることなく、冷静に対応できることが大切です。落ち着き獣医師を呼ぶ、お産の準備をするなど、すぐに冷静な行動ができる人が向いています。
馬は言葉で自分の不調を訴えることができません。競走馬の場合、些細なケガ・病気が要因で、競走馬として活躍ができずにレース出走ができない恐れもあります。そんな状況を回避するためにも、馬の状態にいち早く気が付くことが大切です。馬の状態を見守りながら、些細な変化・サインにも気が付く観察力を持った人でなければ馬の飼育は務まらないでしょう。普段の生活の中でも敏感に周囲の変化に気が付くような人は、育成牧場の仕事も向いている可能性があります。
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