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競走馬の育て方とは?

競走馬が大成するためには血統や脚質だけでなく、その馬に合った育て方が重要です。ここではサラブレッドが誕生してからデビューするまでの流れとデビュー後の競走馬が送る一日についてまとめました。

誕生から競走馬としてデビューするまでの流れと育て方

サラブレッドだからと言って、いきなりレースに勝てる競走馬になれるわけではありません。人を騎乗させることに慣れさせる、騎手からの指示に合わせて走行できるように学習させる、など様々な過程が必要になります。

ここではサラブレッドの誕生から競走馬デビューまでの育て方をまとめました。

誕生~1歳

母馬から産まれた仔馬は、誕生してから数ヶ月間は母馬と一緒に暮らします。早い馬であれば、この期間中に直接取引やセリ市で馬主が決まることも少なくありません。セリ市に上場される場合は、仔馬であっても状態を見せられるように牧場で歩様の調整が行われます。

数ヶ月が経過した時点で仔馬は母馬から引き離され、自立の道を歩み始めます。0歳時に馬主が決まっていない馬は1歳のセリ市に上場されるのが一般的です。

1歳~2歳春

競走馬としてのデビューは2歳の夏以降になるため、1歳の頃からデビューを目指して様々なトレーニングを受けます。

馴致(じゅんち)

馴致とは競走馬として人を乗せられるように馬具の装着を訓練させる、騎乗した人間の指示に従えるように学習させる、などのトレーニングのことをいいます。

馴致の時点で適切な育て方がなされずに、変な癖が付いてしまうと後から矯正することは難しくなります。競走馬としてデビューしてからも、扱いづらい馬になりかねません。

具体的な馴致の方法は、人が騎乗して口にハミを噛ませる、背中に乗せる鞍に慣れさせるなどがあります。

育成

馴致によって馬としての基本動作や最低限の状態が整えば、競走馬を目指して「育成」の段階に進みます。

育成期間は、「調教」の準備段階のようなものです。育成の内容は馬のレベルに合わせて、馴致の延長程度のものから、簡単な追い切りまで様々です。基礎体力をつけるために行われるものですが、他の馬と並走して走らせる併走や坂道を活用した坂路調教などといった、本格的な調教を始める馬も2歳頃から出始めます。

2歳春~

現役の競走馬と同様にレースで勝利することを目指して調教に進むため、トレーニングセンターに移ります。

調教のタイプは主に単走と併走の2種類です。単走は一頭でのみでコースを走ることをいいます。併走は二頭以上で走るもので、馬の競走心を育てる目的があります。この時期の馬は主に併走で調教されますが、馬の鍛えたい部分に応じて調教する内容も変えます。

ゲート試験

ゲート試験とは競馬のスタート時にゲート内での挙動を審査するテストのことです。ゲート内で暴れる、スタートしないなどがあれば不合格・再審査となるため、ゲートでのスタートを教えることはとても大切な調教の一つです。

とある競走馬の1日の流れ

午前4時:一日のスタート

午前4時、厩舎の灯りが付けられて競走馬の朝が始まります。

まずは全ての馬の馬房を確認しながら、それぞれの馬に異常がないかチェックします。競走馬の体調を管理することは重要です。日課として、毎日体温をチェックします。検温方法は肛門からの直腸温度測定が基本です。

検温が済めば鞍を装着してウォーミングアップと調教に進みます。

午前5~7時(季節によって変動):調教のスタート

レースのタイミングに合わせて調子を最高の状態に合わせられるように、調教師が競走馬の様子をチェックしながら調教を行います。

季節によってウォーミングアップや調教に入るタイミングを変えることが大切です。体が温まっていない時点で無理に調教へ進めば、故障のリスクが増加します。
調教後は、厩舎でシャワー・ブラッシング・爪の手入れなどの入念なケアが施されます。手入れは馬と人がコミュニケーションを取る大切な時間です。

蹄の手入れ

調教後の蹄の手入れは競走馬を育てるうえで、欠かすことのできない作業の一つです。蹄が汚れていると、故障や病気に繋がる可能性があります。そのため汚れは専用の器具を使って、掻き出し水で綺麗に洗い流し、ワセリンを塗布して乾燥による割れを防ぎます。

午前8時:朝食

調教が終わり、一時的な休憩時間です。競走馬に合わせて栄養バランスを考えた朝食が提供されます。
ここでも朝食は全部食べたか、調子が悪くないかどうかなどのチェックは欠かせません。

午後1時:チェック

午前中の影響がどう出ているのか再度馬の様子をチェックし、馬房の清掃を行います。

午後4時:夕食

競走馬の体調や好みに合わせた夕食が提供されます。夕食後はマッサージして入念なケアを行う大切な時間です。

ここで競走馬の一日が終わります。

まとめ

サラブレッドが誕生してから、競走馬としてデビューするまで牧場で馴致・育成された後、トレーニングセンターでの調教など多くのステップを踏みます。競走馬は高速で走行する強靱な動物であると同時に、とても繊細な生き物でもあります。調教師や厩務員達スタッフ全員で日々競走馬のメンタル・体のケアを行い、能力を引き出すことが、競走馬の一勝に繋がるのです。

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