平日の騎手がどのようにしているのか、その一例を紹介します。
厩舎に集合し、調教を開始。
厩舎のスタッフとともに調教の準備を開始。それと同時に、次のレースやその日の調教内容について厩舎のスタッフと打ち合わせをします。
打ち合わせや準備の時間を考慮して、開場の2時間ほど前に集合するケースが多いです。トレーニングセンターの調教に使用するコースは、季節によって開場時間が異なります。
コースに入って、実際に走る前の準備運動を開始。「乗り運動」とも呼ばれ、調教する馬に乗って、厩舎の周りなどを何度も周回します。
調教師から走るコースや調教内容についての指示を受け、厩舎から調教コースに移動します。
その後、馬の状態や今後のレースの内容に合わせて、調教師が最適なコースを選択。トレーニングセンターの調教コースには芝・ダート・ポリトラックなどの素材や、平地・障害・坂路などの形態が異なる様々なコースが用意されています。
開場とともにコースに入り、指示された内容の調教を開始します。
調教を終了し、クーリングダウンしながら厩舎に戻ります。1頭の調教時間はおよそ30分です。調教した馬は厩舎のスタッフに引き継ぎ、すぐに2頭目の調教の準備に移ります。
2頭目の馬に乗って、再び調教コースへ向かいます。馬ごとに調教内容や走るコースが違うので、その都度調教師からの指示が必要です。
2頭目の調教を終了し、厩舎のスタッフに引き継ぎます。
調教スタンドにある食堂で朝食をとります。このタイミングで、マスコミ記者からの取材に対応する場合もあります。
引き続き調教師からの指示を受け、3頭目の調教を開始します。
調教師に調教内容を報告し、3頭目の調教を終了します。
調教スタンドに戻り、週末のレースに向けて厩舎スタッフや調教師と打ち合わせをします。
この時間、毎週決まった曜日に厩舎で出馬投票を行います。それ以外の日は調教が終わっていれば午前中は終了です。
朝が早いということもあり、2~3時間ほど休憩。昼食もこの時間にとります。
出馬投票がある木曜日であれば、レース番号や馬番号、馬名、騎手名などが記載された出馬表を確認します。
若手騎手はこの時間、所属厩舎の出走予定馬の勝負服(レースで騎手が着ている服)を用意します。
所属厩舎以外の馬の勝負服も受け取りにいかなければなりません。受け取りと同時に、調教師やスタッフともレースに向けての打ち合わせを行います。所属厩舎以外の馬が多い場合は、各厩舎を回るのに1時間程かかることもあるそうです。
その他午後からは、所属厩舎での清掃や馬体の確認、馬の食事の準備などを実施。さらに、他の厩舎を回り、騎乗機会を増やすために営業活動を行います。
全ての仕事を終え、帰宅します。
平日同様に、朝の調教を行うためトレーニングセンターの調整ルームを出ます。
所属厩舎に到着し調教の準備。調教は、トレーニングセンターの馬場開場の4時までは乗り運動を行い、開場されたら坂路コースに切り替えます。
調教を終了し、厩舎へ。騎手は調整ルームに戻り、騎乗予定の競馬場へ向かう準備を行います。
急いで準備をしてタクシーで競馬場へ。このタクシー代は申請すればJRA負担で利用できます。競馬場への遅れは許されないため、確実に到着できるようにします。なお、自分の車で競馬場へ向かう騎手もいます。
競馬場内のジョッキールームに到着したら、ここからの2時間ほどは休憩時間です。各々朝食を食べたり、仮眠を取ったりと自由に過ごしレースに備えます。
負担重量を決定するために、検量室で前検量を行います。負担重量はレース結果への影響が大きいので、JRA職員による検量を実施。また、前検量は各レース発送の70分から50分前の間に受けます。
番号ゼッケンを受け取り、鞍の準備を行います。装鞍所検量室へ運び、負担重量の確認のひとつとしてJRA職員による鞍検量を受けます。
装鞍を行います。馬が興奮していることもあるので踏まれたり、馬房の壁に挟まれたりしないように慎重に行います。
パドックを周回している馬の状態を確認して調教師や厩舎スタッフと打ち合わせを行います。レース20分前になると騎乗合図が出ます。
馬場入場して、実際に走りを確認するため返し馬を行います。発送地点から合図があるまでは待機所内で待ちます。
いよいよレースの開始です。発走委員がスタート台にあがり、ファンファーレがなって全ての馬がゲートインしたら発走します。
レース後は1位から7位の騎手の後検量が行われます。負担重量の超過や不足が確認されると着中が確定します。
レースで1着になったら表彰式に参加します。表彰式では、馬と馬主や調教師・騎手・厩舎スタッフなど関係者による記念撮影も行われます。
レース後に、結果や次回への意気込みなどのコメントの提供を行います。このようなマスコミ対応も騎手の仕事のひとつです。
第1レースでレースに優勝した場合は、第2レースの騎乗合図に間に合いません。その場合は、馬場取締委員の許可をもらって検量室付近から騎乗します。
次のレースまで時間が空く時は、ジョッキールームで身体を休めたり、ストレッチをしたりしながら次の騎乗に備えます。
騎乗終了するとヘルメットやブーツ・鞍などの清掃を行い、帰宅準備を行います。帰りはタクシーではなく、電車を使う場合が多いようです。
当日が土曜日の場合は騎乗予定競馬場かトレーニングセンターの調整ルームに入室して、日曜日のレースに備えます。
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